森永卓郎さん(経済アナリスト・元大学教授)は、最近とても大胆な発言を続けてきました。そのため、ネットでは「森永卓郎 暗殺」という物騒な言葉が検索されるようになっています。なぜそんなキーワードが出るのか? ここでは、その理由をわかりやすく整理してみます。
どうして「暗殺」なんて言葉が出てくるの?
森永さん自身の発言がきっかけ
森永さんは末期のがん(膵臓がんステージ4)だと医師に宣告され、残された時間が少ないと知りました。それを受けて「もう怖いものはないから、言いたいことは全部言う」という姿勢になり、実際に「自分が“暗殺”されないのは、がんで死にそうな人をわざわざ殺す必要がないと思われているからだ」と、半分冗談のように話しています。この発言が広まり、インターネットでも「森永卓郎 暗殺?」と心配する人や興味本位で検索する人が増えたようです。
タブーへの挑戦:3つの“言ってはいけないこと”
森永さんは「ジャニーズの性被害問題」「財務省の緊縮政策(ザイム真理教と呼んで批判)」「日航123便の墜落事故の裏側」という、テレビなどで“口にしてはいけない”と言われてきた話題に踏み込んでいます。こうした「タブー」を暴露しようとしているため、「これだけ大胆に暴いて、危なくないの?」と見る人が出てきたわけです。SNSでも「大丈夫?消されない?」と書き込む人がいて、検索ワードに「暗殺」が上がったと考えられます。
森永さんの政治的発言はどうだった?
反権力・リベラルな立場
森永さんは小泉政権の構造改革に反対するなど、昔から政府や大企業を厳しく批判してきたことで知られています。あまりにハッキリものを言うので、公安調査庁から監視されたり、テレビでの出演が減らされたりした経験もあると話しています。「テレビで本当のことを言うと干される(出られなくなる)」という現実に直面した一人とも言われています。
財務省にケンカを売った「カルト教団」発言
「財務省=カルト」はさすがにヤバい?
森永さんは2023年、財務省の政策を「ザイム真理教」と呼び、「財務省は日本を悪くしているカルトだ」とまで書いた本を出しました。大きな出版社からは相手にされず、小さい出版社からやっと出版できたそうです。これで財務省を本気で怒らせるかもしれないと周囲は心配し、「消されないかな…」という声がネットでも上がりました。
「書いてはいけない」本の出版
そのあと2024年には『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』という本で、財務省だけでなく日航123便事故の謎や対米従属の問題まで取り上げました。森永さんは「まさに遺書のつもりで全部書く」と言っており、読んだ人の中には「この人、本当に当局から睨まれないの?」と心配する人が続出。こうして“森永卓郎=暗殺されるかも”という図式が強まったのです。
権力批判した人が不審死?
森永さんの暗殺説を語る人が挙げる有名な例に、民主党の石井紘基(こうき)議員の事件があります。石井議員は2002年、自宅前で刺殺されました。官僚の不正や闇予算を追及していた政治家だったので、「本当は権力側に殺されたのでは?」と今も噂されます。真相はわかりませんが、「官僚批判をすると危ない」という都市伝説のような話です。
ほかにも、政権や官僚を批判しているとテレビを降板させられたり、スキャンダルで社会的に抹殺される人もいると言われます。たとえば元経産省官僚の古賀茂明さんがテレビで政権批判をした後に番組を降板させられた事件、経済学者の植草一秀さんが痴漢冤罪で逮捕された事件などが陰謀論的に語られることがあります。
SNSと掲示板で盛り上がった時期
森永さんと暗殺が結びつくようになった時期のポイントは、
- 2024年はじめ:末期がん公表後、財務省や日航事故に踏み込んだ発言が増えた
- 2024年6月:「日航123便は自衛隊の誤射では」と言及 → ネット上で「そんなこと言って大丈夫?」と話題に
- 2024年秋:「書いてはいけない」という暴露本出版 → 再びSNSで「暗殺されるのでは?」と騒ぎに
- 2025年初頭:森永さん死去 → 一部の陰謀論者が「やはり暗殺?」と主張。多くはデマだと考えられる
こうして見ると、本人の強烈な告発発言や書籍出版がきっかけで「暗殺」という単語が話題になり、陰謀論的に盛り上がる流れがあったようです。
まとめ:噂と真実のあいだ
森永卓郎さん自身が「自分はもう死ぬから、言いたい放題やる」と発言し、財務省や日航事故など重いテーマを次々と扱ったことで、「暗殺されるのでは?」と心配する人が増えました。しかし実際には、森永さんが暗殺されたという証拠はなく、亡くなった原因は膵臓がんと公表されています。陰謀論的な説を主張する一部の人もいますが、大多数の報道は「病気による死」という見方です。
森永さんのケースが示すのは、日本社会には触れてはいけないと言われるタブーがあり、それを公然と批判する人が現れると、「権力に消されるのでは?」と騒ぐ雰囲気があるということです。実際にそうした事件があったのかは、はっきりわからない部分もあります。ですが森永さんが残した告発やメッセージを、暗殺という言葉に惑わされずにきちんと受け止め、冷静に議論することが大事ではないでしょうか。
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