深層心理から読み解くぶつかりおじさんの実態:なぜ彼らは体当たりをするのか?

「ぶつかりおじさん」とは、街中や駅の中で、わざと人に体当たりしてくる中高年の男性のことを指します。最近はSNSを中心に話題となり、特に女性を狙った被害が多いと言われています。ここでは、なぜ彼らがそんな行動をするのか、その理由を考えてみます。また、実際に被害に遭った人の話や、もし遭遇したらどうすればよいかも解説します。

ぶつかりおじさんとは?なぜ社会問題になっている?

ぶつかりおじさんの特徴: すれ違うときにわざと肩や体をぶつけてくる中高年男性です。特に、自分より弱そうな女性を狙う傾向があります。見た目はスーツ姿など、いかにも普通のおじさんに見えることが多く、急にぶつかられるので相手はとても怖い思いをします。

SNSで広まった話: 2018年に、新宿駅で女性に次々とぶつかっていく男性の動画がSNSに上がり、大きな注目を集めました。それをきっかけに、「自分もぶつかられた」という報告が多く投稿されるようになります。その後も、駅や道などで同じような事件が報道され、“ぶつかりおじさん”の存在が世間に知られるようになりました。

なぜ問題視されるの?: 混雑した場所でわざと体当たりするのは、相手にケガや恐怖を与える暴力行為です。実際に、突き飛ばされて大けがをした例も報告されています。また、女性だけでなく、高齢者や男性が狙われることもあり、誰もが被害に遭う可能性があるため、社会全体での対策が必要だと言われています。

ぶつかりおじさんの心理

ぶつかりおじさんが、なぜわざと体当たりするのか。いくつかの理由が考えられています。

  • ストレスや怒りのはけ口 普段の生活や仕事でたまったストレスを、弱そうな人にぶつけることで発散していると考えられています。
  • 自分の強さや存在感を示したい 弱い人を狙ってぶつかり、「俺は偉いんだ」などと思い込みたい欲求を持っている場合があります。
  • 過去のトラウマや劣等感 昔いじめられた経験や、社会で認められなかった経験から、他人に当たることで自分を保とうとしている人もいます。「女性ばかり得をしている」「おとなしい人は文句を言わないだろう」など、偏見を持って攻撃するケースもあるようです。
  • 反社会的な性格(パーソナリティ障害) 他人が驚いたり痛がったりするのを見て楽しむタイプもいます。これは反社会的な性格や自己愛の強い性格が関係しているとも言われています。性的な目的でわざと体を当ててくる人もいます。

実際の被害エピソード

  • 女性ばかりに当たるケース 例えば、駅ですれ違うときに、わざと女性に体当たりしていく男性の姿がSNSで撮影されました。ほかの男性にはぶつからないようにしていたようです。問いただされると「ラインからはみ出たお前が悪い」などと意味不明なことを言い、謝らない例もありました。
  • 反撃されにくい相手を選ぶ 大きい荷物を持っている人や、おとなしく見える人をわざわざ狙ってぶつかるため、相手が怒りづらい・反撃しづらいとわかっているのです。
  • 大けがをすることも 実際に突き飛ばされて骨折した例もあります。ケガをしても相手が逃げてしまい、捕まらないことも少なくありません。

ぶつかりおじさんのパターン: 人混みでぶつかる→相手が驚く→何事もなかったように去る、という行動が多いとされています。なかには無表情でぶつかっては消える人もいて、「自分は悪くない」と思い込もうとしている可能性があります。また、男性が一緒に歩いている女性は狙わず、一人の女性だけ狙うなど、計算して行動していると指摘する声もあります。

なぜ中高年男性が多いのか?

  • 世代的背景 昭和の高度成長期やバブル期に若かった世代は、男性優位の価値観を持って育った人も多いと言われています。思ったような地位を得られないまま中高年になり、不満を弱い人にぶつけることで解消しているとも考えられます。
  • 孤独感とフラストレーション 家族や職場での居場所がなくなり、孤独を感じている中高年男性が、人との接触を求める一方で攻撃的になっている場合もあります。「誰かにかまってほしい」という裏返しの心理という見方もありますが、だからといって暴力が許されるわけではありません。
  • ジェンダー観の変化 女性が社会進出する中で、昔のように男性が偉いと思えなくなり、不満をためてしまう人もいます。そうした苛立ちが「女性に道を譲らせる」といった行動につながることがあります。

もしぶつかりおじさんに遭遇したら

  • 感情的に対抗しない 怒りや怖さで相手につかみかかると、さらに暴力を受ける危険があります。ぐっとこらえて、「やめてください」と冷静に伝えるようにしましょう。
  • 周囲に注意して回避 混雑した場所でスマホをいじりながら歩くと、狙われる可能性が高まります。周りをよく見て、不自然に人混みをかき分けて歩くような人がいたら進路を変えたりして、できるだけぶつかられないように注意しましょう。
  • 証拠を残す(撮影など) もしぶつかられたら、スマホのカメラで撮影したり、周りの人に証言をお願いしたりするとよいでしょう。大声を出して周囲に気づいてもらうのも大切です。最近では、警察に動画を送るシステムもあるので、危ないと思ったらすぐ通報してもかまいません。
  • 警察に相談する わざとぶつかるのは立派な暴行です。ケガをすれば傷害罪にあたります。軽いケガでも怖い思いをしたなら、警察に報告することをためらわないでください。犯人が同じ手口を繰り返すのを止めるためにも、被害届を出すことは大切です。

ポイントは、*「むやみに刺激しない・証拠を取る・あとで対処する」*の三つです。感情的に怒鳴り返さず、まずは自分の安全を優先しましょう。

まとめ

街中で突然ぶつかられるのは、とても理不尽で怖いことです。しかし、残念ながら“ぶつかりおじさん”はどこにでもいる可能性があります。彼らの多くは、自分のストレスや欲求不満を人にぶつけているだけですが、その行為は暴力であり、許されるものではありません。

もし被害に遭ったら冷静に対応し、証拠を残して警察や周囲に助けを求めましょう。最近はSNSで情報を共有する動きも広がっています。社会全体で防犯カメラを増やしたり、駅員や警察によるパトロールを強化したりするなど、少しずつ対策が進んでいます。

自分自身を守るためにも、「自分は大丈夫」と油断せず、周りに気を配る習慣を持ちましょう。もしものときは落ち着いて行動し、必要なら警察に通報することをおすすめします。あなたや大切な人が安全に過ごせるように、日頃から注意しておきましょう。

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