はじめに
木嶋佳苗(きじま かなえ)さんは死刑囚(しけいしゅう)で、ひろゆきさん(本名は西村博之(にしむら ひろゆき))はネットでよく発言する有名人です。一見(いっけん)まったく関係がなさそうな二人ですが、ネット上ではときどきセットで話題になることがあります。ここでは、木嶋佳苗さんがどんな事件を起こしたのか、ひろゆきさんが何を言っているのか、そして二人がなぜ注目されるのかを中学生にもわかりやすく説明します。
木嶋佳苗さんとは?
婚活詐欺(こんかつさぎ)と連続殺人
木嶋佳苗さんは、2007年から2009年のあいだに、婚活サイトで知り合った複数(ふくすう)の男性(だんせい)からお金をだまし取り、さらに3人を練炭(れんたん)を使った自殺に見せかけて殺害したといわれています。裁判(さいばん)では2012年に死刑判決が下され、2017年に最高裁(さいこうさい)でも死刑が決まったという、重大(じゅうだい)な事件を起こした人物です。
“平成の毒婦(どくふ)”と呼ばれた理由
事件が大きく報道(ほうどう)されたとき、世間(せけん)は「どうして見た目が普通の女性に、たくさんの男性がだまされたのか?」と大きなショックを受けました。木嶋佳苗さんは料理が上手だったり、男性をひきつける方法があると話していたため、「魔性(ましょう)の女」や「毒婦」と呼ばれました。
拘置所(こうちしょ)でも話題を提供
木嶋さんは裁判のあと、東京拘置所に入ってからもブログを始めたり、なんと2回も獄中(ごくちゅう)結婚をしたりして、いつも話題になっています。さらに、30キロやせた体験を有料で公開し、お金を得ようとする行動もメディアで報道されました。死刑が決まったのに、こうした大胆(だいたん)な行動を取り続けるため、今でもネットで話題に上ることが多いのです。
ひろゆきさんはどう語る?
「死刑にするより研究したほうがいい」
ひろゆきさんは、木嶋佳苗さんのように特殊(とくしゅ)な能力を持った犯罪者(はんざいしゃ)は、死刑で終わらせるのではなく、どのように人をだましたのかなどを調べて、社会に役立てるべきではないかと発言しました。これは普通では思いつかない考え方なので、多くの人が反応(はんのう)しました。
ほかの事件とくらべて「木嶋さんはすごい?」
和歌山にいた「紀州のドン・ファン」と呼ばれるお金持ちの男性の事件などでも、ひろゆきさんは「木嶋さんとくらべたら、犯人は雑魚(ざこ)だ」と語りました。つまり、木嶋さんのほうが手口(てぐち)がずっと上手だったといったわけです。こうした過激(かげき)な発言(はつげん)が、ネットニュースでも取り上げられ、大きな話題になりました。
ダイエット話にもコメント
木嶋さんが拘置所でやせる方法を有料で出していることにも、ひろゆきさんは「死刑囚でも商売ができる日本は平和だね」というふうに、茶化すようなコメントをしました。このように、ひろゆきさんは社会で起こっている話に、自分ならではの視点(してん)で意見を言うので、多くの人が注目しています。
ネットの反応(はんのう)はさまざま
賛成派(さんせいは)・反対派(はんたいは)がわかれる
木嶋さんを「研究したほうがいい」という意見に、「犯罪の仕組みを解明(かいめい)するのに役立つかも」と賛成する人もいれば、「被害者(ひがいしゃ)の気持ちを考えると、そんなのはありえない」と強く反対する人もいます。死刑制度や犯罪者の人権(じんけん)をめぐる深い問題にもなっているのです。
ブログや有料記事への批判(ひはん)
木嶋さんが拘置所からブログを発信したり、お金を取ってダイエット情報を公開したりすることに、「まったく反省(はんせい)していない」「被害者の人のことを考えていない」という批判も多いです。一方で、「そこまで堂々(どうどう)とできるのが逆にすごい」とあきれるような声もあります。
「雑魚」発言の賛否(さんぴ)
須藤早貴(すどう さき)さんという別の事件の容疑者を「雑魚」と言ったことで、「失礼すぎる」「命にかかわる事件でそんな言い方をするなんて」という批判もありました。しかし、「わかりやすくておもしろい」と好意的(こういてき)に見る人もいて、ネット上の意見は分かれています。
どうして二人が注目されるの?
- 木嶋佳苗さんの特殊(とくしゅ)さ 婚活詐欺と連続殺人という重い犯罪を組み合わせ、裁判でも“名器”発言など派手なエピソードがあったため、人々の印象に強く残っています。死刑が確定した後でもブログやダイエット体験を売るなど、普通では考えられない行動を続けている点も大きいです。
- ひろゆきさんの影響力(えいきょうりょく) ひろゆきさんは、ネット上で強い発信力(はっしんりょく)があります。歯に衣着せぬ言い方で話題をバッサリ切り、ニュースに取り上げられることも多いです。木嶋さんのケースについても、普通とはちがう視点を示すため、ネットユーザーが反応しやすいのです。
- 事件×インフルエンサーの組み合わせ 昔の大きな事件が、有名なネット論客によって再び注目されるという流れがあります。ひろゆきさんのコメントが動画や記事で拡散(かくさん)され、そのたびに「木嶋さんってすごい事件を起こした人なんだ」と思い出され、検索する人が増えるのです。
- 死刑制度や犯罪者の処遇(しょぐう)への関心 木嶋さんの行動や、ひろゆきさんの意見は、死刑制度や犯罪者の人権を考えるきっかけにもなります。社会全体の深い問題にもつながるため、注目を集め続けるのです。
まとめ
木嶋佳苗さんは、連続殺人などの重大事件を起こしながら、拘置所でブログを続けたり、結婚したり、ダイエット情報を売ったりするなど、普通の死刑囚とはちがう動きをしています。一方のひろゆきさんは、そうした木嶋さんの行動に対して「研究対象にするべき」と発言するなど、ユニークな考え方を示すことで注目を浴びています。
この二人の話題が出てくると、ネットではいつも賛否両論(さんぴりょうろん)の意見がわきおこります。死刑制度や犯罪者の扱い方、被害者の気持ちなど、考えるべき問題がたくさんあります。今後、木嶋さんが新しい行動をしたり、ひろゆきさんが新たな意見を言ったりするたびに、ふたたび話題になる可能性が高いでしょう。
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