近年、「新NISA」という制度が注目されています。これは投資で得た利益が一定の範囲で非課税(税金がかからない)になる仕組みです。しかし経済アナリストの森永卓郎さんは、「新NISAは絶対にやるな!」と強く反対していて話題になっています。
なぜ森永さんはそこまで反対するのでしょうか。この文章では、森永さんが言う理由と、それに対してほかの専門家がどう考えているかをわかりやすく説明します。そして私たち一般の投資初心者は、新NISAをどう考えたらいいのか、いっしょに考えてみましょう。
森永卓郎さんはなぜ「新NISAはやるな」と言うの?
2024年からは、新NISAの投資できる金額が増え、非課税で運用できる期間も長くなるなど、大きく便利になります。国も「貯金だけでなく、投資をしよう」と国民にすすめています。
でも森永さんは、「今は株がバブルのように高く、いずれ大暴落するかもしれない」と警告しています。つまり、株価が落ちる前に投資を始めると大損してしまう可能性が高いという考え方です。また、アメリカの株価が下がったり、円高(日本円が強くなる)になったりしたら、投資したお金が急に減るリスクがあるとも言っています。
さらに、よく言われる「長期投資すれば安心」「いろいろな国や種類の株に分散すれば安全」という考えも、森永さんはあまり信じていません。大きな危機が起きれば、どんなに分散していても被害を受けるからです。特に老後の資金を投資に回すのは危険だと警告しています。失ったら生活に困るようなお金を投資するべきではない、ということです。
そして森永さんは、「政府が『投資をしよう』と言うのは、一部の投資に強い人やお金持ちだけが得をして、一般の人は逆に損をする可能性がある」とも主張しています。結果的に、貧富の差が広がるのではないかと心配しているのです。
他の専門家はどう考えている?
森永さんのように「新NISAは危ないからやめるべき」と言う人もいますが、違う考えを持つ人もたくさんいます。たとえば森永さんの息子である森永康平さんは、「新NISAは昔のNISAよりメリットが大きい。投資を考えているなら利用しないと損」と言っています。
また、元国税調査官の大村大次郎さんは、「森永さんの言うとおり、株が下がる可能性はある。でもそれは誰にもわからないので、あまりに悲観的(悪い結果ばかり考えること)になるのは早すぎる」と話しています。ほかの多くのファイナンシャルプランナー(お金の専門家)や証券アナリストも、「リスクはあるが上手にコントロールすれば、新NISAの非課税というメリットは大きい」と評価しています。
新NISAをどう考える?
実際に新NISAを始めるかどうかは、人それぞれの状況によります。たとえば…
- 失っても生活に困らない余裕資金だけで投資する
- 短期間の動きに惑わされず、10年や20年といった長い目で見る
- 一つの銘柄や国に集中しすぎず、分散投資を検討する
- 投資のしくみを勉強して、リスクを正しく理解する
…などを心がけるのが大切です。「もし株が大きく下がってしまったらどうしよう」と心配な人は、無理に投資する必要はありません。銀行預金や、元本保証のある商品を選ぶという手もあります。大切なのは、自分がどれくらいのリスクを取れるかをよく考えることです。
まとめ
森永卓郎さんの「新NISAはやるな」という主張は、株価暴落や円高のリスク、長期投資の不確実性などを強く心配するものです。とくに老後のお金を投資に回すことには強く反対しています。一方で、多くの専門家は「ちゃんとリスクを理解し、長い目で見れば、新NISAは有利だ」という考え方をしています。
最終的には、自分の経済状況や、どのくらいリスクを取れるかを考えて決めるのが大事です。投資にはリスクがあるので、十分に勉強してから始めましょう。森永さんの考えを参考にして心構えを持つのもいいですが、だからといってチャンスを逃してしまうのももったいないかもしれません。自分に合ったやり方をじっくり考えることが、後悔を少なくするポイントです。
コメント