森永卓郎さんは、テレビに出ている経済アナリストで、大学の先生だったこともある人です。2015年から2016年にかけて、短期間で体重を落とすことで有名な「ライザップ」に通い、大幅な減量に成功しました。ところが、その数年後に末期のがんが見つかり、2025年のはじめに67歳で亡くなったといわれています。
「ライザップで痩せたのに、がんになったのはなぜ？」「糖尿病は治ったの？」といった疑問を持つ人が多いので、ここでは森永さんのライザップ体験や健康状態について、できるだけわかりやすくまとめます。
どうしてライザップを始めたの？
森永さんは50代のとき、体重が増えすぎて糖尿病になりました。血糖値がとても高く、失明や合併症のリスクがあるほど危険だったそうです。医師からは「このままでは長生きできない」と言われていました。
そんな森永さんが、2015年のテレビ番組「オールスター感謝祭」で「ライザップのCMに出る人を視聴者が投票で選ぶ」という企画に参加し、1位になりました。これをきっかけに「体を変える最後のチャンス」と思い、本気でダイエットに挑戦したのです。
ライザップってどんなことをする？
健康チェックとトレーニング
ライザップではまず、しっかり体の検査を行い、安全に運動できるかを確認します。森永さんは糖尿病や眼の病気があったので、運動で無理をしないように特別メニューを組んでもらいました。
本格的なトレーニングは、週2回・1回50分ほど。トレーナーがマンツーマンで付いてくれて、重いバーベルを使った筋トレなどをします。自分では「もう無理！」と思っても、トレーナーがとなりで声をかけてくれるので、少し先まで頑張れるようになります。
食事管理
もう一つの大事なポイントは、糖質（砂糖や炭水化物）を減らす食事。森永さんは毎食食べたものを写真に撮り、トレーナーに送る仕組みをとりました。ご飯やパン、麺などを極力控えて、肉・魚・卵・野菜などを中心に食べるのです。もし糖質が多いものを食べそうになると、トレーナーから「次は控えましょう」とアドバイスが来るので、自然と正しい食事が続けられます。
どれくらい痩せたの？
森永さんは、約4か月のあいだに
- 体重：89.4kg → 69.5kg（約20kg減）
- ウエスト：114cm → 91cm という、劇的なサイズダウンを達成しました。見た目が大きく変わり、周りからは「若返った」「別人みたい」と驚かれたそうです。
このダイエットで一番良かったのは健康面で、血糖値の指標となる「HbA1c」が11.4％から5.8％まで下がり、薬を飲まなくても糖尿病がよくなったのです。医師からは「こんなに早く改善するなんてすごい」と評価されました。
がんになったのはライザップのせい？
森永さんはライザップで健康を取り戻したはずなのに、後になって末期がんが見つかりました。ネット上では「急に痩せすぎて体がおかしくなったのかも」と言う人がいますが、専門家たちは「ライザップががんの原因になった可能性は低い」と見ています。
膵臓がんのリスク
森永さんが疑われたのは膵臓（すいぞう）のがんです。肥満や糖尿病、たばこは膵臓がんのリスクを上げます。森永さんはライザップを始める前、まさに太っていて糖尿病もあり、たばこも吸っていたので、がんになる下地ができていたかもしれません。しかし、ライザップで痩せたことで、むしろリスクは下がる方向に向かうはずだ、と言われています。
がんは10年単位で少しずつ進むことも多いので、ライザップ後に発見されたとしても、もともと体の中で育っていた可能性が高いのです。急激なダイエットで免疫が落ちたという意見もありますが、森永さんの減量は専門家の監修のもとで行われたものなので、がんの原因とは考えにくいとされています。
維持やリバウンドは？
ライザップを卒業した後に体重が戻ってしまわないか、という心配はよくあります。森永さんは契約上、定期的に体重を測ることになっていましたし、その後も家庭菜園などで野菜づくりにハマり、自然に運動と栄養をバランスよくとる生活に切り替えられたそうです。
その結果、糖尿病は何年も再発しませんでした。残念ながら膵臓がんは防げませんでしたが、専門家は「ダイエットががんを招いたのではなく、むしろ太っていた頃に作られたリスクが原因」と見ています。
まとめ
- 森永卓郎さんは50代後半で糖尿病が悪化し、医師から「このままだと長生きできない」と言われていました。
- 2015年のテレビ企画でライザップに挑戦し、約4か月で20kg近く体重を落とし、血糖値も劇的に改善。糖尿病薬も不要になりました。
- その後、家庭菜園を続けるなどしてリバウンドを防ぎ、健康を維持。ところが、2023年末に末期がんと診断され、翌年1月に亡くなりました。
- がんの原因については、「ライザップによる急激な減量が悪かった」とする説は医学的根拠が薄いです。むしろ長年の肥満、喫煙、糖尿病が大きなリスクだったと考えられています。
- ライザップは短期集中で負担が大きい面もありますが、医師や栄養士と協力しながら行えば効果的な方法の一つと言えます。森永さんの場合、糖尿病を克服した点は医療関係者から高く評価されました。
森永卓郎さんのケースから学べるのは、できるだけ早い段階で生活習慣病対策や検診に取り組むことの大切さです。ダイエットと健康管理は、専門家のサポートを受けながら正しく行えば、大きな成果が得られる可能性があります。
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